本文へスキップ
記事へスキップ

Ophiostoma novo-ulmi

記録された一般名なし

Ophiostoma novo-ulmi は、ニレの木を枯死させる「ニレ立枯病(オランダニレ病)」の主要な原因菌のひとつです。Ophiostoma ulmi や Ophiostoma himal-ulmi とともに、この病気を引き起こす代表的な菌として知られています。

分類上は子嚢菌門クロサイワイタケ目セラトシスティス科に属する菌類で、樹木の維管束組織に入り込んで水分の輸送を阻害することで知られています。都市や森林の景観を一変させた菌として、植物病理学上も重要な存在です。

子実体と識別

Ophiostoma novo-ulmi は、子実体そのものの外見よりも、ニレの樹皮下や材部に広がる菌糸と、それによって引き起こされる樹木側の変化によって認識されることが多い菌です。感染したニレでは、辺材部に褐色から黒色の縞状の変色が現れ、これが本菌の存在を示す代表的な手がかりとなります。

本菌は樹皮の内側や材の表層部で越冬し、そこから無性的に増殖して胞子を形成します。こうした胞子形成の様子や菌糸の広がり方が、野外での識別における重要な観察点となります。

分布と生息地

Ophiostoma novo-ulmi に関する観測記録は、月ごとに見ると大きな変動が見られます。7月には726件前後まで記録数が増える一方、冬季の12月や1月には400件前後まで減少しており、夏から初秋にかけて観察記録が多くなる傾向がうかがえます。

ただし、こうした記録はあくまで生物の存在が確認された地点の集計であり、個体数の多さや分布の全体像を示すものではない点に注意が必要です。実際の分布は、ニレが生育する温帯域を中心に、欧州や北米など広い地域に及んでいます。

Ophiostoma novo-ulmiの観察記録の分布図
記録された場所 · GBIF
726
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
月別出現件数 · GBIF

豆知識

  1. この菌による被害を抑えるため、多くの地域社会では、衛生管理の徹底やニレの単一栽培を避けること、ニレ同士の根の接合を断ち切ることなどの文化的な対策が取り入れられてきました。
  2. Ophiostoma novo-ulmi が記載されたのは1940年代後半のことで、それ以前から知られていた近縁種による被害に続き、さらに深刻なニレの枯死をヨーロッパと北米にもたらしました。

写真

写真の提供元はby Johan Adler via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.です。各写真に撮影者のクレジットを記載しています。

生態と分類

分類

門
Ascomycota
綱
Sordariomycetes
目
Microascales
科
Ceratocystidaceae
属
Ophiostoma
種
Ophiostoma novo-ulmi

出典

  1. GBIF Species names and classification
  2. iNaturalist Photos
  3. Wikidata Common names and conservation status
  4. Wikipedia Summary extract