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ナツフウキンチョウ

Piranga rubra

軽度懸念

成鳥の雄は全身がバラ色がかった赤色で、北米の夏の森でひときわ目立つ鳥です。ナツフウキンチョウ(Piranga rubra)は、夏に北米で繁殖し、冬は中南米へ渡る中型のスズメ目の鳥です。分布域は約327万km²に及びます。

以前はフウキンチョウ科に分類されていましたが、現在はショウジョウコウカンチョウ科に含まれています。同属の鳥もこの科に移されました。IUCNレッドリストでは低懸念とされています。知られる最長の寿命は約で、飼育下の例を含みます。

春の渡りから夏の繁殖、冬の越冬までの一年の流れは、北米と中南米の森をつなぐ鳥の生活を知る手がかりになります。

識別と外見

成鳥の雄は全身がバラ色がかった赤色で、羽の色で最も見分けやすい鳥です。赤やオレンジの色は、食べ物から得られる色素によるものです。

体長は約17 cm、翼開長は28〜30 cmです。体重は平均30.1 g(25.8〜33.6 g)で、体の大きさはほどです。くちばしは太くて先がとがっています。

雌は下面がオレンジがかり、上面はオリーブ色です。翼と尾はオリーブがかった茶色です。雄によく似た同属のPiranga flavaは、くちばしが黒いことで区別できます。

分布と生息地

夏の繁殖地は、アメリカ合衆国南部からメキシコ北部にかけてです。東は北へアイオワ州やニュージャージー州まで分布します。

生息環境は地域によって異なります。東部では、オークなどの広葉樹が混じる開けた林を好みます。西部では、ハコヤナギやヤナギが茂る河畔林に生息します。果樹園や公園、街路樹にも見られます。

冬はメキシコの湿潤な常緑林や熱帯落葉林、メキシコ、中央アメリカ、南米北部の林で過ごします。多くは低地にいますが、パナマでは標高1800 mまで上がることもあります。ヨーロッパの西部にはごくまれに迷い込みます。

Piranga rubraの観察記録の分布図
記録された場所 · GBIF
425,515
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
月別出現件数 · GBIF

行動と暮らし

ナツフウキンチョウは、繁殖期と渡りの時期以外はほとんど単独で行動します。木の高い枝の上に隠れていることが多く、人に姿を見られることは多くありません。冬は単独で過ごし、縄張りを持ちます。ただし、他のフウキンチョウ類やアメリカムシクイ類の混群に加わることがあります。

渡りは主に夜に行われます。テレビ塔に衝突した個体が多く見つかっていることがその証拠です。渡りの群れは最大30羽ほどになります。群れが一緒に飛ぶのか、地上で集まるだけなのかは分かっていません。飛び方は速くてまっすぐです。

繁殖期の雄は、縄張りと採食場所を守ります。到着直後は、ライバルの雄と激しく飛んで追いかけ合います。このとき体が触れ合うこともあります。雌を追いかけて巣に戻らせる行動も見られます。ふだんは枝の上に静かにとまり、急に短く飛び出すという動きを繰り返します。羽づくろいをよくし、ときどき日光浴もします。

雄の縄張りは約9万〜11万 m²とされています。

コミュニケーション

繁殖期の雄は、一日中よく歌います。歌は豊かで音楽的で、他のフウキンチョウ類のようなざらついた歌ではありません。アメリカコマツグミに似ていて、初心者が間違えることもあります。歌は同じ旋律のまとまりを途切れなく繰り返します。ただし、アカフウキンチョウの歌に比べると単調で、3〜4種類の旋律しか含まないこともあります。

雄は縄張りに侵入した別の雄の歌を聞くと、その相手を探し出します。繁殖の始まりには、隣の雄と歌で応じ合う「対抗歌」も盛んに行われます。雄は歌と追いかけで雌を引きつけます。一部の雌も、雄の歌を崩したような歌を歌います。

雌雄ともに、鋭くカチカチとした鳴き声を出します。鳴き声は、さまざまな場面で使われます。視覚や接触によるサインのほか、音声も使います。

狩りと食性

ナツフウキンチョウは、主に昆虫を食べる鳥です。木の上部でえさを探し、飛んでいる昆虫を空中で捕まえます。ときには、飛び出して昆虫を捕らえることもあります。

おもな獲物は、ハチとスズメバチです。ハチやスズメバチの巣を攻撃し、巣を捨てさせて幼虫を食べることもあります。地上で獲物を捕ることは少なく、ほとんどは木の上で捕まえます。

獲物は止まり木に持ち帰り、何度も枝に打ちつけて殺します。スズメバチなどは、枝にこすりつけて針や食べられない部分を取り除いてから食べます。

食べる昆虫は多様です。甲虫、トンボ、カミキリムシ、セミ、バッタ、アリ、ガ類の幼虫、ゾウムシ、クモなどを食べます。カタツムリやナメクジを食べることもあります。晩夏、渡り、越冬地では、ブラックベリー、クワの実、バナナ、柑橘類などの果実も多く食べます。

営巣と繁殖

繁殖期の雄は、到着後まもなく雌を追いかけ始めます。雄は雌の前で、食べ物を運んだり跳ねたりして見せることもあります。求愛の詳しい様子はあまり分かっていません。

巣作りは、渡来してから2〜4週間後に始まります。巣は水平な枝の上に、地上から約2.5〜10.5 mの高さに作られます。巣は主に乾いた草本の植物でできていて、内側は細い草で覆われます。巣作りは雌が一羽で行い、雄は付き添うことが多いです。東部の巣は粗く作られ、西部の巣はしっかりしています。

巣が完成するとすぐに産卵が始まります。一腹の卵数は3〜4個で、淡い青色か淡い緑色をしていて、赤褐色の斑点があります。抱卵は雌だけが行い、期間は12〜13日です。雄は抱卵中に休むことが多く、雌に餌を与えることもあります。

雛は両親から餌をもらって育ちます。雛は孵化後8〜10日で巣を離れます。離巣後も親は2〜4週間ほど世話を続けます。雛が巣立つ前には、両親が巣の中の糞を取り除きます。1年で性成熟し、年に一回だけ繁殖します。

個体数と生態的役割

ナツフウキンチョウは昆虫の数を調節する役割を担っています。ハチやスズメバチなどを多く食べるため、その個体数に影響を与えます。

果実を食べたあとに種子を運ぶため、植物の種子散布にも役立ちます。体にはシラミ1種とダニ2種の外部寄生虫がつきます。おもな寄生虫は吸虫類です。ほかにも線虫類やダニ類が寄生することがあります。

この鳥を捕食する動物としては、ナミヘビ属のPantherophis spiloidesが知られています。ただし、これはまれな例です。

保全と脅威

IUCNレッドリストでは「低懸念」に分類されており、学名Piranga rubraのこの鳥は、北米での繁殖個体群が比較的安定を保っています。緊急に保護が必要な状況ではありません。

米国の連邦絶滅危惧種法の対象にはなっていませんが、米国の渡り鳥保護法によって保護されています。

最も大きな人間の影響は、おそらく繁殖地の生息環境の破壊です。また、夜間の渡りの際にテレビ塔へ衝突することも、重要な死亡要因となっています。

軽度懸念

文化的意義

ナツフウキンチョウは、人にとって害虫とみなされることもあるハチやスズメバチを食べます。そのため、これらの害虫の抑制に役立つ鳥とされています。

豆知識

  1. 属名Pirangaは、1808年にフランスの鳥類学者ルイ・ピエール・ヴィエイヨが命名しました。このとき、ナツフウキンチョウがこの属の模式種になりました。
  2. 渡りの途中のミシシッピ州で、1羽が緑のアノールトカゲを食べようとした例が知られています。

写真

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生態と分類

行動

  • 捕食者
  • 単独性
  • 縄張り性
  • 渡り性

生息地

食性

  • 食虫性

分類

門
Chordata
綱
Aves
目
Passeriformes
科
Cardinalidae
属
Piranga
種
Piranga rubra

出典

  1. GBIF Species names and classification
  2. iNaturalist Photos
  3. Wikidata Common names and conservation status
  4. Wikipedia Summary extract
  5. Encyclopedia of Life Habitat, diet and behavior traits
  6. Animal Diversity Web Animal habitat, behavior and diet
  7. AnAge Longevity
  8. AVONET Bird mass, habitat, migration, diet and range size
  9. GloBI What it eats, what eats it, parasites and pollinators
  10. SquamataBase
  11. HWML Parasite Collection