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コマツグミ

Turdus migratorius

軽度懸念

北米で最も身近な鳥の一つであるコマツグミは、赤橙色の胸が目立つ鳥です。名前は、同じような胸の色をもつヨーロッパのコマドリ(ロビン)にちなんでいます。

Turdus migratorius は、スズメ目ツグミ科ツグミ属の鳥です。北米の広い範囲で繁殖し、冬は南へ渡ります。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは「軽度懸念」に分類されています。

森林や公園、畑、住宅地と、人の暮らしに近い環境で見られるため、身近な鳥として親しまれています。渡りの範囲の広さや、暮らしの変化に対応してきた点に注目すると、この鳥の生き方がよくわかります。

識別と外見

成鳥の最も目立つ特徴は、赤橙色の胸です。色は濃い赤褐色から桃色がかったオレンジまで個体によって幅があります。

体長は23〜28cm、翼を広げた幅は31〜41cmほどです。体重は平均で約です。

頭は黒から灰色で、目の周りに白いアイリングと白い眉斑があります。のどは白く黒い縦斑があり、腹と下尾筒は白色です。背中は茶色で、くちばしは大部分が黄色です。先端は暗色で、冬には暗色の部分が広がります。

オスとメスの見た目は似ていますが、メスは全体に地味で、頭が茶色みを帯び、胸の色も淡くなります。ただし羽色だけで性別を判定できない個体もいます。幼鳥は成鳥のオスより淡い色をしており、胸に暗い斑点があり、翼の上面の羽に白っぽい部分があります。

分布と生息地

繁殖分布は北米のほぼ全域に広がり、アラスカやカナダから南はフロリダ北部やメキシコ北部にまでおよびます。

多くの個体は冬になるとカナダ南部より南へ渡り、フロリダやメキシコ中部、太平洋岸などで越冬します。南への移動は8月末までにほぼ終わり、北への移動は2月から3月に始まります。ただし正確な時期は緯度や気候によって異なります。

渡りの距離は繁殖地によって大きく異なります。アラスカで標識をつけられた個体は、マサチューセッツで標識をつけられた個体より、季節をまたいで約3.5倍長い距離を移動することが知られています。

生息地は主に森林の縁や、牧草地、農地、都市部などです。芝生や短い草地でえさを探し、近くの低木や木立で休んだり眠ったりします。ヨーロッパ西部ではまれな迷鳥として記録されていますが、これは日本語の説明では迷い鳥として扱われる例外的な出現です。

Turdus migratoriusの観察記録の分布図
記録された場所 · GBIF
5,835,175
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
月別出現件数 · GBIF

行動と暮らし

コマツグミは基本的に昼行性です。日中は地面や芝生でえさを探し、夜は茂みや木の上で眠ります。

冬の間は群れで暮らします。夕方になると大きな群れが、人目につきにくい湿地や草木の密生した場所に集まり、木の上で塒をとります。昼間はその群れが小さな群れに分かれて、果実や漿果を食べに行きます。

夏の繁殖期には、オスが繁殖縄張りを守り、社会性は弱まります。若い鳥は巣立ち後も最初の4か月ほど、生まれた場所の近くで過ごします。その後、年齢の異なる鳥が混ざった群れを作り、越冬地へ向かいます。

コミュニケーション

オスは冬の終わりから春先にかけてさえずり始めます。さえずりは「cheerily, cheer up」と聞こえるような、明るく連続した歌です。短い音の単位を繰り返し、短い間を置きながらつなぎ合わせます。

さえずりは2月末から3月初めに始まり、7月末から8月初めまで続きます。東部の個体は9月になってもさえずることがあります。夜明けの前後や夕暮れまで長く歌い、高い枝の上から歌うのが普通です。

地域によって歌い方が異なり、時間帯によって歌のスタイルも変わります。また、地上の捕食者が近づいたときや、巣や仲間が襲われそうなときには、短い鳴き声で危険を知らせます。ひなはえさをねだるときにもさえずるように鳴きます。

食性と栄養

コマツグミは果実と昆虫の両方を食べる雑食性の鳥です。えさの内容はおおよそ、果実や漿果が約60%、無脊椎動物が約40%とされています。

食べ物は、季節や場所で手に入りやすいものに合わせて変わります。夏にはミミズや昆虫の幼虫、バッタ、毛虫などを地面で捕らえることが多く、秋から冬にかけては野生の果実や栽培の果実を多く食べます。

果実を食べることで、種子が別の場所に運ばれます。また、繁殖期には昆虫が雛の主なえさになります。

営巣と繁殖

コマツグミの繁殖は、南から戻ってきた直後の春に始まります。4月から7月にかけて繁殖し、1シーズンに2〜3回、ひなを育てます。北米では最も早く卵を産み始める鳥の一つです。

巣は、メスが一羽で作ります。外側の土台には長く粗い草、小枝、紙、羽毛を使い、内側は泥でなめらかに固め、柔らかい細い草などで覆います。地面、低木、木の枝、建物の窓の縁などに作りますが、多くは地面から1.5〜4.5mほどの高さに作ります。寒い地域では、最初の巣を常緑樹に作り、その後の巣は落葉樹に作ることが多いです。

1回の産卵数は3〜5個で、卵は青緑色です。卵はメスだけが抱き、約14日でふ化します。ひなは目が閉じた状態で生まれ、裸に近い姿をしています。

ひなは約2週間で巣立ちます。ひなは巣の外に出ても親を追い、地面の草むらに隠れながら、えさをねだります。巣立ちから約2週間後には、ひなは安定して飛べるようになります。

個体数と生態的役割

コマツグミの個体数は約3億7,000万羽と推定されており、個体数の傾向は安定していると考えられています。

寿命は平均で約2年ですが、最長で約生きたことが知られています。飼育下の例も含まれるため、野生の寿命としては平均的な数字として捉えてください。

生態系では、捕食者にとって重要なえさであり、種子を運ぶ役割も果たしています。さらに、昆虫の数を抑える役割もあり、ガーデンや農地の害虫防除に貢献しています。

保全と脅威

コマツグミは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「軽度懸念」に分類されています。個体数が多く、減少が続いているという証拠は見られていません。

人の暮らしに近い環境に適応できたことが、この種の広がりを支えてきました。かつては一部の南部の州で食用として狩猟されていましたが、現在はアメリカの渡り鳥条約によって、分布域全体で保護されています。

脅威としては、猛禽類、ネコ、ヘビ、アライグマなどの捕食があげられます。特に猛禽類による捕食の影響が大きいと考えられています。繁殖期の成鳥は特に狙われやすいです。また、気候変動や異常気象の影響も受けています。

軽度懸念

文化的意義

コマツグミは、州の鳥として知られています。コネチカット州、ミシガン州、ウィスコンシン州で州の鳥に指定されています。また、1986年にはカナダの2ドル紙幣に描かれましたが、この紙幣は後に回収されました。

北米の先住民の神話にも登場します。たとえば、火が消えかけた焚き火をあおいで、人と少年を救った話があり、この話が赤い胸の由来として語られています。ティンギット族の伝承では、ワタリガラスがこの鳥を、歌で人々を喜ばせるために創造した文化英雄とされています。

春を告げる鳥としても親しまれています。エミリー・ディキンソンの詩「I Dreaded That First Robin So」など、春の最初の一羽を題材にした詩が多くあります。また、アメリカのポピュラーソング「When the Red, Red Robin」にもこの鳥が登場します。さらに、コマツグミの卵の色にちなんだ「ロビンエッグブルー」という色名もあります。

豆知識

  1. 学名の Turdus はラテン語でツグミを意味し、migratorius は移動する、渡りをするという意味です。
  2. ヨーロッパのコマドリの学名は「孤独な小さな赤い鳥」と訳せますが、コマツグミは群れで暮らす鳥です。
  3. リンネは1758年に出版された『自然の体系』第10版で、ツグミ属を記載しました。現在、ツグミ属は約80種が認められています。

写真

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生態と分類

行動

  • 縄張り性
  • 社会性
  • 昼行性
  • 渡り性

食性

  • 雑食性

分類

門
Chordata
綱
Aves
目
Passeriformes
科
Turdidae
属
Turdus
種
Turdus migratorius

出典

  1. GBIF Species names and classification
  2. iNaturalist Photos
  3. Wikidata Common names and conservation status
  4. Wikipedia Summary extract
  5. Encyclopedia of Life Habitat, diet and behavior traits
  6. Animal Diversity Web Animal habitat, behavior and diet
  7. AnAge Longevity