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セイヨウオシダ

Dryopteris filix-mas

直立して伸びる大きな二回羽状複葉と、橙褐色の鱗片に覆われた葉柄を持つセイヨウオシダの株写真: via iNaturalist, licensed under CC0 1.0.、CC0

ひと目でわかる

主な特徴
森林林地山地シダ
分類
門
Tracheophyta
綱
Polypodiopsida
目
Polypodiales
科
Dryopteridaceae
属
Dryopteris
種
Dryopteris filix-mas

Dryopteris filix-mas(セイヨウオシダ)は、ヨーロッパでは林床のいたるところに群生する一方、北米大陸ではその数がはるかに少ないという、大陸間で際立った分布の差を示すシダです。

本種は北半球の温帯域に広く分布するシダ植物で、湿った日陰の林床を好みますが、垣根の陰や岩場、崖錐(がいすい)などにも生育します。

セイヨウオシダは古くから薬用植物として利用されてきた歴史を持ち、近縁種と容易に交雑するなど、植物学的にも興味深い一面を持つシダです。

識別と外見

セイヨウオシダを識別する最も分かりやすい手がかりは、葉柄を覆う橙褐色の鱗片と、直立して伸びる大きな二回羽状複葉です。

葉は半常緑性で直立し、最大で150cmに達します。各根茎から単一の葉冠が形成され、葉身は二回羽状複葉で、主軸(羽軸)の両側に20〜35対の羽片が並びます。葉は基部と先端の両方で先細りになり、基部の羽片は中央部の羽片の約半分の長さしかありません。羽片の小片(裂片)はやや丸みを帯び、周囲全体がほぼ均等に浅く裂けています。

葉柄には橙褐色の鱗片が密に覆っています。成熟した葉身の裏面には2列に並んだ5〜6個の胞子嚊(ソーラス)が形成され、8月から11月にかけて胞子が成熟すると、包膜(インドゥシウム)が縮んで胞子が放出されます。

本種はDryopteris affinisやDryopteris oreadesと容易に交雑するため、野外での識別には注意が必要です。

分布と生息地

セイヨウオシダは北半球の温帯域に広く分布し、ヨーロッパ、アジア、北米の大部分に自生します。湿った日陰の林床を好みますが、垣根の陰、岩場、崖錐などにも生育し、分布の北限付近では日当たりの良い水はけの良い場所を選ぶ傾向があります。

北米東北部では石灰岩地帯の密な森林や崖錐斜面に生育し、ロッキー山脈地域では花崗岩や火山岩からなる岩塊や崖錐の間の疎林に見られます。生育地の標高は200mから2500mに及びます。

GBIFへの月別観測記録を見ると、5月から8月にかけて観測数が急増し、7月には132,586件と最も多くなります。これは観測活動が活発になる季節を反映したものであり、個体数や生息密度そのものを示すものではない点に注意が必要です。

Dryopteris filix-masの観察記録の分布図
記録された場所 · GBIF
132,586
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
月別出現件数 · GBIF

利用と人との関わり

セイヨウオシダは古くから薬用植物として利用されてきた歴史を持ち、その根茎は伝統的な用途で用いられてきました。

観賞用としても多くの園芸品種が育成されており、'Crispa Cristata'、'Cristata'、'Grandiceps Wills'、'Linearis Polydactyla'などの品種は、英国王立園芸協会(RHS)のAward of Garden Meritを受賞しています。

豆知識

  1. 文化的には「語り部」のような存在とされ、その葉は治癒と希望の物語を伝えると語られてきました。
  2. 一部の文化では、夏至の日に胞子を採集すると幸運が訪れ、隠された宝物を見つける助けになると信じられていました。
  3. ヨーロッパでは至る所で見られますが、北米大陸ではその数がはるかに少ないです。
  4. 標高200mから2500mまでの幅広い環境に生育します。
  5. Dryopteris affinisやDryopteris oreadesと容易に交雑します。
  6. 分布の北限付近では、通常好む日陰ではなく日当たりの良い乾いた場所を選びます。

生態

生息地

  • 森林
  • 林地
  • 山地

生育型

  • シダ

写真

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直立して伸びる大きな二回羽状複葉と、橙褐色の鱗片に覆われた葉柄を持つセイヨウオシダの株写真: via iNaturalist, licensed under CC0 1.0.、CC0

出典GBIFiNaturalistWikidataWikipediaEncyclopedia of Life