Geastrum saccatumの最大の特徴は、成熟すると外皮が星のように裂けて開く姿です。この裂開は、内皮の菌糸表面にシュウ酸カルシウムの結晶が蓄積し、外皮と内皮の層を押し広げることで起こると考えられています。
本種はGeastraceae科Geastrales目に属する担子菌類で、落ち葉の積もった腐植質の土壌に発生します。世界的に分布し、熱帯地域への適応力が高く、ハワイの乾性林などでよく見られます。
中央の孔を囲む環状のくぼみや隆起は、同属の他種と見分けるための重要な手がかりとなっており、地味な色合いながらも観察のしがいがある種です。
子実体と識別
Geastrum saccatumを識別する最も確実な手がかりは、中央の胞子放出孔を囲む、はっきりとした環状の隆起またはくぼみ(apical disc)です。この特徴が、他のツチグリ属の種との区別点になります。
未成熟の子実体は直径0.6〜2.5センチメートル、高さ0.8〜1.5センチメートルほどで、初めはホコリタケ類に似た卵形をしています。基部には菌糸の束(根状菌糸束)があり、これで発生基盤に付着します。外皮(外皮層)は黄褐色から黄土色で、内側の子実体本体から分離し、5〜8本の裂片(腕)に分かれて後方に反り返ります。腕が広がった後の全体の直径は2〜5センチメートルになりますが、Geastrum fornicatumのように腕が本体を地面から持ち上げることはなく、平らに横たわった状態のままです。
内側の胞子を持つ球状の本体は直径0.5〜2センチメートルで、先述の環状のくぼみに囲まれた中央の孔があります。内部は若いうちは白色ですが、成熟すると褐色の粉状の胞子と、太い壁を持つ繊維(毛体)が混ざった塊に変化します。肉には苦味があります。胞子は丸みを帯び、表面にいぼ状の突起があり、大きさは3.5〜4.5マイクロメートルです。
近縁種のGeastrum fimbriatumには環状のapical discがなく、孔もやや小さいという違いがあります。Geastrum indicumとは、内皮基部を囲む緩い組織の襟状構造がないことで区別できます。その他、Geastrum fornicatumやGeastrum triplexも似ていますが、Astraeus属のツチグリ類は腕の並びがより不規則である点が異なります。
分布と生息地
Geastrum saccatumは腐生性の菌で、腐植質の落ち葉の中に単生または群生し、通常は夏の終わりから秋にかけて発生します。世界的な分布を示し、特に熱帯地域への適応力が高く、ハワイの乾性林では一般的に見られます。
分布記録は北アメリカ(カナダ、アメリカ合衆国、メキシコ)、中央アメリカ(コンゴ、パナマ)、南アメリカ(アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジル)、キューバ、アフリカ(タンザニア、西アフリカ、南アフリカ)、アジア(中国、インド)、さらにトバゴやオーストラリアのクイーンズランド州トゥーンバなど、広範囲に及びます。北アメリカでは、西海岸で9月から12月、それ以外の地域では7月から10月にかけて見られます。
観測データの月別集計を見ると、7月から10月にかけて件数が大きく増加し、9月に最も多く記録されています。これは目撃・記録された件数の傾向であり、個体数や分布の全体像を示すものではありませんが、夏から秋にかけての発生が観察されやすい時期であることをうかがわせます。

利用と文化史
多くの文化において、星形をした菌は天体や天空にまつわる神話と結び付けられ、celestial symbolism(天体の象徴)として捉えられてきました。Geastrum saccatumもその星形の姿から、こうした文化的なイメージと結び付けられることがあります。
本種は、通常見つかる成熟した状態では食用にはなりません。一方で、Geastrum saccatumから抽出されたβ-グルカン・タンパク質複合体を分析した研究では、抗炎症、抗酸化、細胞毒性の作用が示されたと報告されています。この抗炎症作用は、酵素である一酸化窒素合成酵素とシクロオキシゲナーゼの阻害によるものではないかと考えられています。
ブラジルでは、本種の呼び名は「地の星」を意味する言葉に訳されており、その星形の姿が地名や俗称にも表れています。
豆知識
- 星形に開く姿から、世界の多くの文化で天体や天空の神話と結び付けられ、celestial symbolism(天体の象徴)として語られることがあります。
- ブラジルでは本種の通称が「地の星」を意味する言葉に訳されており、その姿がそのまま名前になっています。
- 未成熟時はホコリタケ類に似た卵形をしていますが、基部の菌糸束で地面に固定されている点が異なります。
生態
生息地
- 森林



