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ダイズ

Glycine max

畑に生育する成熟したダイズの株。三出複葉と、房状に実る有毛の莢が特徴。写真: via iNaturalist, licensed under CC0 1.0.、CC0

ひと目でわかる

主な特徴
草本
分類
門
Tracheophyta
綱
Magnoliopsida
目
Fabales
科
Fabaceae
属
Glycine
種
Glycine max

ダイズ(Glycine max)は、世界で最も広く栽培されているマメ科作物であり、食用油やタンパク質源として、また家畜飼料としても欠かせない存在です。

ダイズはマメ科(Fabaceae)に属する作物で、東アジア原産とされています。今日では世界各地で広く栽培されており、栽培植物としての分布は非常に広範囲に及びます。

豆腐や醬油、食用油、飼料など、私たちの生活に深く根付いた多様な製品の原料となっている点が、この植物を知る大きな理由です。

識別と外見

ダイズを見分ける最も分かりやすい特徴は、3〜5個の房状に実る有毛の莢(さや)と、3枚の小葉からなる複葉です。

成熟した株は高さ50〜125cmほどに達し、根は地下75〜150cmの深さまで伸びます。三出複葉の葉身は長さ6〜15cm、幅2〜7cmほどで、莢は長さ3〜8cm、直径5〜11mmの種子を2〜4個含みます。

花は白、ピンク、または紫色で、葉の付け根に小さく咲きますが、自家受粉するため昆虫による受粉を必要としません。ただし糖分の多い蜜を出すため、ミツバチには好まれます。種子の色は黒、褐色、黄色、緑など多様で、しばしば斑模様や二色の種皮も見られます。種皮上の傷跡にあたる部分は臍点と呼ばれ、黒、褐色、黄褐色、灰色、黄色など様々な色を示します。

乾燥した種子は種皮が約8%、子葉が約90%、幼芽(胚軸)が2%を占め、重量の約36%がタンパク質、20%が脂肪(大豆油)で構成されています。この硬く水を通しにくい種皮は、内部の子葉と胚軸を保護する役割を持ちます。

分布と生息地

ダイズは東アジアを起源とする作物で、現在は世界各地で栽培されています。ただしGBIFなどの観測記録は、あくまで生息の«存在»を示すものであり、個体数や正確な自然分布を表すものではない点に注意が必要です。

月別の観察記録を見ると、7月から9月にかけて記録数が大きく増加し、9月には2,118件と最も多く報告されています。これは主に生育期にあたるこの時期に、圃場での観察や記録が集中して行われることを示していると考えられます。逆に12月から2月にかけては記録数が88〜221件程度と少なく、休眠期や非生育期にあたることがうかがえます。

Glycine maxの観察記録の分布図
記録された場所 · GBIF
2,118
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
月別出現件数 · GBIF

生態と関わり

ダイズは根に共生する根粒菌(Rhizobia属の細菌)との共生関係によって、大気中の窒素を土壌中に取り込む窒素固定を行います。

この能力により、ダイズは栄養の乏しい土壌でも生育でき、周囲の土壌の窒素含有量を高めることで、他の植物にとっても有益な環境を作り出します。

利用と人との関わり

ダイズは世界的に重要な農作物で、タンパク質と油の主要な供給源として、豆腐や食用油、飼料など幅広い製品に加工されています。主な生産国はアメリカ、ブラジル、アルゼンチンです。

栽培には肥沃で排水の良い土壌と、気温20〜30℃程度の温暖な気候が適しており、気温が20℃を下回ったり40℃を超えると生育が大きく阻害されます。根粒菌との共生による窒素固定能力を活かし、他の作物との輪作を行うことで施肥量を減らしつつ収量を高めることができますが、長期的には土壌の有機物量に影響を与える可能性も指摘されています。播種前には適切な菌株の接種材を種子と混ぜることが推奨されます。現代の栽培品種は高さ約1mに育ち、播種から収穫まで80〜120日ほどかかります。

ダイズは細菌病、糸状菌病、ウイルス病、線虫など多くの病害虫の被害を受けます。特にダイズシストセンチュウはアメリカで最も深刻な害虫とされ、症状が見えなくても30〜40%の減収を引き起こすことがあります。マメコガネやオオタバコガの幼虫も作物に大きな被害を与え、シロオジロジカやグラウンドホッグによる食害・踏みつけも収量を最大15%減少させることが報告されています。

豆知識

  1. ダイズの栽培種は、紀元前10世紀以前に中国東北部で野生種のGlycine sojaから選抜されて生まれたと考えられています。
  2. 古代インドのアーユルヴェーダ文献では、チャラカの弟子ダンヴァンタリの注釈に«ヴィグナ・マーシャ»という豆が登場し、これはおそらくダイズを指し、咳を鎮める煎じ薬や解熱の緩和剤として用いられたとされています。
  3. ダイズの種子は極度に乾燥した状態でも生存し、水を吸うと再び発芽できるという驚くべき耐性を持ちます。コーネル大学のA・カール・レオポルドはこの仕組みを研究し、1990年代初頭にはその保護技術で特許を取得しました。
  4. 開花は日長の変化によって引き起こされ、多くの品種では日照時間が12.8時間より短くなると花芽が形成されますが、この反応は品種によって大きく異なります。
  5. 2006年のワールド・フード・プライズは、ブラジルのセラード地域を生物多様性に富む原野から高収益なダイズ農地へと変えた土壌科学者エドソン・ロバト、アンドリュー・マクラング、アリソン・パオリネッリの3氏に贈られました。

生態

生育型

  • 草本

写真

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畑に生育する成熟したダイズの株。三出複葉と、房状に実る有毛の莢が特徴。写真: via iNaturalist, licensed under CC0 1.0.、CC0

出典GBIFiNaturalistWikidataWikipedia