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ヒマワリ

Helianthus annuus

LC軽度懸念
太い毛の生えた茎の先に大きな黄色い花を咲かせるヒマワリの成熟した植物で、広くて縁がギザギザした葉を持つ写真: via iNaturalist, licensed under CC0 1.0.、CC0

ひと目でわかる

主な特徴
草原荒れ地草本
分類
門
Tracheophyta
綱
Magnoliopsida
目
Asterales
科
Asteraceae
属
Helianthus
種
Helianthus annuus

栽培されたヒマワリは世界で4番目に多く使われている植物油の原料であり、野生種が複数の花を咲かせるのに対し、栽培種は分枝しない一本の茎の先に大きな花を一つだけつけるという対照的な姿を見せます。

ヒマワリ(Helianthus annuus)はキク科(Asteraceae)に属する大型の一年草で、IUCNの評価では低懸念(Least Concern)とされています。もともと北米を中心に分布していた植物ですが、現在では観賞用や食用として世界中で親しまれています。

食用油や種子としての実用性だけでなく、太陽を追うという通説の真偽や、汚染水から放射性物質を取り除く研究への利用など、ヒマワリには一見の価値がある側面が数多くあります。

識別と外見

最も分かりやすい特徴は、一つの「花」に見える部分が実は多数の小さな花(小花)が集まった花序(頭状花序)であることです。直径7.5〜12.5センチメートルほどのこの花序では、花びらのように見える外側の部分は「舌状花」と呼ばれ、生殖能力を持たない不稔の花で、黄色・赤・オレンジなど様々な色をとります。中心部に螫旋状に並ぶのは「筒状花」で、これが成熟して種(ヒマワリの種子)になります。

茎は硬い毛で覆われて直立し、一般的には3メートルほどの高さに達しますが、記録に残る最大の個体は10.9メートルにも達しました。葉は幅広く、縁が粗いギザギザ状で、下部の葉ほど大きくなり、しばしば心臓形をしています。

よく知られる俗説として、成熟したヒマワリの花が一日中太陽を追いかけるというものがありますが、これは正確ではありません。実際に太陽を追う「向日性」を示すのは未成熟なつぼみの段階だけで、朝は東を向き夕方には西を向くという動きを繰り返します。花序が完全に成熟すると、この動きは止まり、以後は常に固定した方向(多くは東)を向き続けます。この俗説は1597年に英国の植物学者ジョン・ジェラードによっても否定されていました。

近縁種のプレーリー・サンフラワー(Helianthus petiolaris)は外見が似ていますが、中央の筒状花を包む鱗片の先端に白い毛があることで区別できます。

分布と生息地

ヒマワリは米国中西部、カナダ南部、メキシコ北部を原産地とすると考えられています。原産地の範囲がどこであったにせよ、現在では熱帯・砂漠・ツンドラを除く世界のほぼすべての地域で見られるようになりました。

生育に適するのは肥沃で湿り気があり、排水の良い土壌で、厚い有機物の層があるような場所です。野生では乾燥した開けた土地や丘陵地でよく見られ、栽培化されていない個体は春に湿り、夏には乾く粘土質の土壌に多く生育します。これに対し、近縁のHelianthus debilisやHelianthus petiolarisは、より乾燥した砂質の土壌を好む傾向があります。

16世紀にアメリカ大陸からヨーロッパへ種子が持ち込まれて以降、油や食用としての利用が広がり、産業規模の生産の中心は次第に東欧へ移りました。2020年時点ではロシアとウクライナの2か国だけで世界の種子生産の半分以上を占めています。

GBIFの月別観測数を見ると、観測件数は7月(約14,481件)と8月(約17,005件)に大きく増加し、その後は急速に減少しています。これは開花期に人の目に触れる機会が増えることを示す傾向と考えられますが、あくまで観測記録の集計であり、実際の個体数や分布の全体像を表すものではない点に注意が必要です。

Helianthus annuusの観察記録の分布図
記録された場所 · GBIF
17,005
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
月別出現件数 · GBIF

利用と人との関わり

ヒマワリは北米東部で先史時代から栽培されていた植物の一つで、アカザ、リトルバーリー、カボチャなどとともに「東部農耕複合体」の一部を成していました。メキシコのタバスコ州サン・アンドレス遺跡の証拠からは紀元前2600年頃にメキシコで栽培化が始まった可能性が示されており、米国テネシー州では紀元前2300年頃の完全に栽培化された個体が見つかっています。アステカ族やメキシコのオトミ族、南米のインカ族など、多くの先住民族がヒマワリを太陽神の象徴として扱っていました。

1510年頃にスペインの探検家がアメリカ大陸でヒマワリに出会い、その種子をヨーロッパへ持ち帰りました。18世紀のロシアでは、大斎(レント)の期間に植物性の油脂しか許されなかったロシア正教会の信徒の間で、ヒマワリ油の利用が広まりました。19世紀初頭にはヴォロネジ州アレクセーエフカの商人ダニイル・ボカリョフが大規模な油の抽出技術を開発し、急速に普及していきました。その町の紋章には今もヒマワリが描かれています。2024年の世界の種子生産量は5190万トンに達し、ロシアとウクライナが合わせて全体の58%を占めています。

食用油や食用種子、鳥や家畜の飼料としての利用のほかにも、ヒマワリは根によって水中の物質を取り込む「根圏ろ過(リゾフィルトレーション)」に利用され、チェルノブイリ原発事故後の池やその後の福島第一原発事故の際にも、放射性のセシウム137やストロンチウム90を水から取り除く試みに使われました。文化的な象徴としても、中国文化では幸運・長寿・永続する幸福を、ネイティブアメリカンの文化では収穫と豊かさを表す花とされています。

保全と脅威

ヒマワリのIUCN評価は低懸念(Least Concern)とされており、野生種としては世界的に絶滅の危機にはないと見なされています。

一方で、栽培作物としては複数の深刻な病害に脅かされています。最も大きな脅威の一つは土壌や植物に広く存在する糸状菌フザリウム(Fusarium)で、被害が及ぶと収穫量の80%にも達する損失が出ることがあります。

もう一つの脅威はダウニーミルデュー(べと病)です。ヒマワリの種子は一般に地表からわずか2.5センチメートルほどの浅い深さに植えられるため、湿った土壌ではこの病気にかかりやすくなります。さらに、他の植物の根に寄生するハマウツボ科(ブルームレープ)の植物も大きな脅威で、被害を受けると収穫が100%失われることもあります。

保全状況

  1. LC
  2. NT
  3. VU
  4. EN
  5. CR

軽度懸念

豆知識

  1. ヒマワリの花の中心にある小花は、およそ137.5度(黄金角)ずつずれて螫旋状に並び、螫旋の数はフィボナッチ数列(多くの場合34本と55本)になっており、種を最も効率よく詰め込む配置と考えられています。
  2. ヒマワリは根圏ろ過という技術を通じて、チェルノブイリ原発事故後の汚染された池や、福島第一原発事故の際にも、放射性のセシウム137やストロンチウム90を水から取り除く目的で利用されました。
  3. 記録に残る最も高いヒマワリは10.9メートルにも達しました。
  4. 「Helianthus」という学名は、ギリシャ語の「helios(太陽)」と「anthos(花)」を組み合わせたものです。
  5. 中国文化ではヒマワリは幸運・長寿・永続する幸福の象徴とされ、ネイティブアメリカンの文化では収穫と豊かさを象徴する花とされています。
  6. イロコイ族の神話にもヒマワリが登場することが知られています。
  7. 成熟したヒマワリの花は一日中太陽を追うわけではなく、成熟後は常に固定した方向(多くは東)を向き続けます。

生態

生息地

  • 草原
  • 荒れ地

生育型

  • 草本

写真

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太い毛の生えた茎の先に大きな黄色い花を咲かせるヒマワリの成熟した植物で、広くて縁がギザギザした葉を持つ写真: via iNaturalist, licensed under CC0 1.0.、CC0

出典GBIFiNaturalistWikidataWikipedia