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シャクヤク

Paeonia lactiflora

Paeonia lactifloraは、東チベットから中国北部、東シベリアにかけての中央・東アジアに自生する、多年草の草本植物です。ボタン科に属し、日本ではシャクヤクという名で親しまれています。

草原や疎林の縁、川岸などに自生し、初夏になると大きな花を咲かせるこの植物は、観賞用としても薬用としても、長い歴史を通じて人々の暮らしに関わってきました。

識別と外見

シャクヤクの最も目立つ特徴は、初夏に開く大きく丸みのある花芽と、そこから開く香り高いカップ状またはボウル状の花です。花の直径は8〜16センチメートルに及び、白、ピンク、深紅などの5〜10枚の花弁と、鮮やかな黄色の雄しべを持ちます。

株全体の高さと幅はおよそ50〜70センチメートルで、9つに裂ける葉は長さ20〜40センチメートルに達します。晩春、北半球では5月頃に大きく丸い蕾をつけ、開花します。

この香り豊かな花はチョウを引き寄せることが知られています。生育地は乾いた開けた岩場の斜面、川岸、疎林の縁などです。

分布と生息地

シャクヤクは林や草地に分布し、標高400〜2,300メートルの範囲に生育します。中央アジアから東アジアにかけて、東チベットから中国北部、東シベリアにまで及ぶ広い地域に自生しています。

観測記録は5月から8月にかけて大きく増加し、6月に最も多く見られる傾向があります。これは開花期に観察されやすくなることを示していると考えられますが、この観測数はあくまで発見された記録であり、個体数や分布の全体像を示すものではありません。

Paeonia lactifloraの観察記録の分布図
記録された場所 · GBIF
928
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
月別出現件数 · GBIF

利用と人との関わり

シャクヤクは古代ギリシャやローマの時代から、根や種子が様々な病の治療に用いられてきた歴史を持つ植物です。その名前は、ギリシャ神話に登場する神々の医師パエオンにちなんでおり、治癒と保護の象徴とされてきました。

古代中国医学においても、シャクヤクの根、特に白いシャクヤクの根は、月経の不調や炎症など様々な症状に用いられてきたとされています。8世紀の中国では「花の王」とされ、健康、高貴さ、富の象徴として長く愛され続けてきました。

このように、シャクヤクは単なる観賞用の花としてだけでなく、慈しみや治癒、精神的な癒やしを象徴する花として、文化的に深く根付いています。

豆知識

  1. シャクヤクという名前は、ギリシャ神話の神々の医師パエオンに由来しています。
  2. 8世紀の中国では、シャクヤクは「花の王」として称えられていました。
  3. 花はチョウを引き寄せる香りを持つことが知られています。

写真

写真の提供元はby Urgamal Magsar via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.、via iNaturalist, licensed under CC0 1.0.、by beandonnn via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.、by Hilda Chan via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.、by Святослав Власенко via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.、by Lena Perova via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.、by Holly Black via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.、by Clayton VonDras via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.、by Paul Mero via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.です。各写真に撮影者のクレジットを記載しています。

生態と分類

生育型

  • 草本

分類

門
Tracheophyta
綱
Magnoliopsida
目
Saxifragales
科
Paeoniaceae
属
Paeonia
種
Paeonia lactiflora

出典

  1. GBIF Species names and classification
  2. iNaturalist Photos
  3. Wikidata Common names and conservation status
  4. Wikipedia Summary extract
  5. Encyclopedia of Life Habitat, diet and behavior traits