シロセイヨウショウロ(Tuber magnatum)は、キロ当たり数百万円という値が付くこともある、世界で最も高価な食用キノコの一つです。子嚂菌類のなかまで、主にイタリアをはじめとする南欧、さらにタイでも見つかっています。
地下で樹木と共生しながら育つこの菌は、外見の地味さとは対照的に、美食の世界で特別な地位を占めています。その希少性と強い香りが、長い間人々を魅了してきました。
子実体と識別
最大の特徴は、直径12センチメートル、重さ500グラムに達することもある不規則な塊状の子実体ですが、実際にはこれよりずっと小型のものが多く見られます。内部の肉は淡いクリーム色または茶色で、白い大理石模様が入っています。
子実体は秋に形成されます。外見が似た白色系のトリュフとの混同が市場でしばしば問題となっています。
分布と生息地
主な産地はイタリア北部ピエモンテ州のランゲ地方とモンフェッラート地方で、特にアルバとアスティ周辺の田園地帯が有名です。マルケ州北部のアックアラーニャも生産と流通の中心地の一つで、毎年開かれる祭りはイタリア国内でも重要な行事となっています。モリーゼ、アブルッツォ、トスカーナのサン・ミニアート周辺の丘陵地でも見つかります。
イタリア国外では、クロアチアのイストリア半島(モトヴン周辺)、スイスのティチーノ州とジュネーブ州、フランス南東部、シチリア島、ハンガリー、セルビア、スロベニア、ギリシャ、さらにタイでも記録があります。近年はボスニア・ヘルツェゴビナのヴラシッチ、リシナ、コザラ地域でも探索が盛んになっています。
この菌はオーク類、ハシバミ、ポプラ、ブナなどの樹木と共生関係を結びます。特にオーク類との関係が文献上最も多く報告され、次いでポプラが多く挙げられています。土壌は中性からアルカリ性で、平均pHは約7.7とされ、冬季に子実体が形成されるには最低でも約0.4度の気温が必要とされています。
観測記録では秋、特に9月から11月にかけて件数が多くなる傾向がみられますが、これは発見のしやすさを反映したものであり、生息数そのものを示すものではありません。

利用と文化史
シロセイヨウショウロは美食の世界で贅沢の象徴とされ、繊細な風味と強い香りで長年シェフや食通を魅了してきました。ピエモンテ料理ではバローロなどの力強い赤ワインと合わせられることが多く、フランス料理ではフォアグラに削りかけて豊かな風味を組み合わせる使われ方があります。アルバで1929年に始まった国際白トリュフ祭りは、この菌を中心とした美食文化の象徴的な行事です。
市場価値は非常に高く、2001年には1キログラムあたり2,200~4,800ドルで取引され、2009年末には14,203.50ドルまで上昇しました。2007年にはマカオのカジノ経営者が1.5キログラムの個体に33万ドルを支払い、2010年にも同額で別の個体を購入しています。2014年にはウンブリア州で発見された1.89キログラムの個体が61,000ドルで落札されました。1999年にはクロアチアのブイェ近郊で1.31キログラムの個体が見つかり、当時世界最大としてギネス記録に登録されています。
豆知識
- シロセイヨウショウロは、野生のトリュフ狩り人によって採取されてきた歴史が最も長いトリュフとされています。
- イタリアにおけるトリュフ狩りと採取の技術は、2021年にユネスコの無形文化遺産代表リストに登録されました。
- 本種の組織に含まれる亜鉛の含有量は、これまで調査された他のトリュフ種の約2倍に達することが分かっています。
写真
写真の提供元はby Brian C. Hunt via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.です。各写真に撮影者のクレジットを記載しています。
生態と分類
生息地
分類
- 門
- Ascomycota
- 綱
- Pezizomycetes
- 目
- Pezizales
- 科
- Tuberaceae
- 属
- Tuber
- 種
- Tuber magnatum
出典
- GBIF Species names and classification
- iNaturalist Photos
- Wikidata Common names and conservation status
- Wikipedia Summary extract



