インドコキンメフクロウは、北パキスタンから東南アジアにかけての熱帯アジアに分布する小型のフクロウです。分布域は約に及び、国際自然保護連合(IUCN)の評価は低懸念です。
農地や人里を含む開けた環境に多く見られる留鳥で、都市にもよく適応しています。木の洞や岩のすき間、建物の穴などで小さな群れになってねぐらをとります。
体重は約ほどと小柄ですが、見た目や大きさには地域差があり、身近な鳥として観察しやすい種です。
識別と外見
体の上面は灰褐色で、白い斑点が全体に散っているのが最も目立つ特徴です。
体の大きさは全長21cmほどで、体重は約です。ずんぐりした体つきで、顔の周りの顔盤は淡い色をしています。
腹側は白く、褐色の筋模様が入ります。喉から眉のあたりにかけて白い帯があり、目は黄色です。雌雄の見た目はよく似ています。
亜種によって色合いが違い、基準亜種は乾燥地域に分布する淡色の亜種インディカより濃い色をしています。飛び方は波打つように大きく上下するのが特徴です。
分布と生息地
インドコキンメフクロウは、北パキスタンから東南アジアまでの熱帯アジアに分布します。分布域は約です。
主な生息地は農地や草地、人里などの半開けた環境です。人が手を加えた場所に多く、町や村の周辺で見られることが多い鳥です。
観察記録の月別の件数を見ると、春から初夏にかけての件数が多い傾向があります。ただし、これは姿を見かけた件数の傾向であり、個体数の増減を示すものではありません。

行動と暮らし
夜行性ですが、昼間にも姿を見せることがよくあります。昼のねぐらから追われると、頭を上下に振りながら侵入者をじっと見つめます。
昼間に木にとまっていると、小鳥が集まって追い払おうとすることがあり、そこから居場所がわかることがあります。
鳴き声は、しわがれた大きな声で「チリチリ」「チッチッ」と連続して響く声です。主に夜明けの早い時間と日没直後によく鳴きます。
脳には松果体があり、メラトニンの分泌リズムが他のフクロウと少し異なります。夜の分泌量はわずかに低く、午後の早い時間にやや増えます。季節による変化は、気温や湿度などの環境と関係があると考えられています。
この種は定住性で、季節的な大移動は行いません。
録音
call, nocturnal flight call · India · Ujjal Kishor De · CC BY-SA
call · India · Sudipto Roy · CC BY-SA
狩りと食性
インドコキンメフクロウは、昆虫や小型の脊椎動物を捕らえて食べる肉食性の鳥です。獲物を見つけて捕らえ、昆虫からネズミ、コウモリ、ヒキガエルなどへと幅広く食べます。
主な獲物は昆虫ですが、パキスタンでは大部分が昆虫を食べていたことが知られています。
ジョードプルのような乾燥地域では、繁殖期の前にネズミを多く捕らえます。ネズミの中でもムス属を好み、タテラ属のネズミは避ける傾向があります。
小型のヘビ類、サソリ、軟体動物も食べます。人の住む場所の近くでは、ヒナに与えるネズミが手に入りやすく、繁殖の成功率が高い場合があります。
営巣と繁殖
繁殖期は11月から4月です。求愛では、くちばしを合わせる行動、羽繕いの繰り返し、給餌のしぐさが見られます。雌は雄と一緒に鳴き、頭を振り、尾を左右に動かして誘うことがあります。
巣は木の洞や建物の穴などの空洞につくります。ムクドリ、ブッポウソウ、インコなど他の穴を使う鳥と営巣場所を争うことがあります。垂直な土手の穴を使うこともあります。
巣の内側には葉や羽毛を敷きます。前の住人が残した敷材をそのまま使うこともあります。
一腹は3〜4個の白い球形の卵で、大きさは長さ30.9mm、幅26.3mmほどです。最初に産まれた卵から抱卵を始めるため、ヒナの大きさには差が生まれます。
ヒナは最初ゴキブリなどの昆虫を与えられ、成長すると小型のネズミなどを与えられます。ヒナは成長中に一度体重が増え、巣立ち前に減ることがあります。巣立つのは1〜2羽ほどで、約1か月で巣を離れます。
個体数と生態的役割
インドコキンメフクロウには、寄生する生き物がいくつか知られています。コクシジウムの一種エイメリア・アテニや、ダニの一種ネオケチエラ・アテネが寄生します。
また、鳥に寄生するシラミの一種コルポケファルム・ペクチナツムや、腸に寄生するカンタオ類のアポロリンクス・チャウハニも知られています。
このように多くの寄生生物が見つかっていることから、この鳥は寄生生物の宿主としての役割を担っています。
文化的意義
インドコキンメフクロウは、人々にとって身近な鳥です。特に大きな鳴き声がよく知られていて、昔は不吉な前兆と結びつけられることがありました。
しかし、そうした言い伝えは民間の迷信であり、科学的な根拠はありません。現代では、こうした迷信はほとんど信じられていません。
学名のブラマは、フランス語の名前シュエット・ブラムに由来し、インドの生息地やヒンドゥー教の最高神ブラフマーへの敬意を表すものです。ヒンドゥー神話では、フクロウは富の女神ラクシュミーの乗り物とされ、知恵や忍耐、物事の本質を見抜く力を象徴すると伝えられています。
豆知識
- 同じ仲間の小型フクロウであるチョウゲンボウ属ではなく、近縁種のコキンメフクロウと近い関係にあり、両者は同じ種群を形づくっています。
- 体の大きさには地理的な変化があり、分布域の場所によって大きさが違うことが知られています。
写真
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生態と分類
分類
- 門
- Chordata
- 綱
- Aves
- 目
- Strigiformes
- 科
- Strigidae
- 属
- Athene
- 種
- Athene brama
出典
- GBIF Species names and classification
- iNaturalist Photos
- Wikidata Common names and conservation status
- Wikipedia Summary extract
- Xeno-canto Audio recordings
- AVONET Bird mass, habitat, migration, diet and range size



