本文へスキップ
記事へスキップ

セイヨウエンゴサク

Fumaria muralis

Fumaria muralis はケシ科に属する一年生の草本植物で、西ヨーロッパと北西アフリカが原産です。ピンク色の花は春に咲き、細く分かれた茎をつる状に伸ばして周囲の草むらに広がります。

本来の生育域は温帯から地中海地方にかけての地域です。開けた裸地や道端、畑の周りなど、土が動かされた場所によく生えるため、牧草地や庭では雑草とみなされています。

原産地の外でも、日本、ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ合衆国など広い地域で見つかっています。身近な場所で出会える植物として、その生態を知る価値があります。

識別と外見

最も見分けやすいのは花です。花冠は長さ9〜12 mmで、ピンク色をしていて、先端は濃い赤色から紫色になります。1つの花序には約12個の花がつきます。

花は4枚の花びらからなり、上側の1枚の基部は距(きょ)と呼ばれる突起になっています。がく片は2枚で白っぽく、中央に緑色の筋があります。

茎は細く、もろく、多くの枝に分かれます。長さは最大で1000 mm(約1 m)に達し、途中から地面に広がったり、ほかの植物に寄りかかって伸びたりします。全体に毛はありません。

葉は緑色から灰緑色で、三回ほど深く裂けた複葉です。成熟した葉の小葉は長さ3〜15 mmで、灰緑色から青緑色をしています。

よく似た種として、Fumaria officinalis は花がより小さく(長さ6〜9 mm)、紫がかったピンク色で、1つの花序に20〜40個ほどの花がつきます。Fumaria bastardii は花序の花が20個以上あり、果実にしわが強くあります。

分布と生息地

原産地は、アゾレス諸島やマデイラ諸島などを含むマカロネシア、ポルトガル、フランス、ベルギー、ドイツ、イギリス、アイルランド、ノルウェー、そしてモロッコやスペインの一部です。

生育場所は、牧草地、道端、庭、小道、沿岸の低木地、かく乱された土地などです。日当たりのよい裸地を好み、人の手が入った環境に多く見られます。

原産地の外では、スペイン、オランダ、デンマーク、日本、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アメリカ合衆国などで見つかっています。

観察記録の月別の分布を見ると、春の5月に多いことがわかります。ただし、これは観察された回数の傾向であり、個体数の多さを示すものではありません。

Fumaria muralisの観察記録の分布図
記録された場所 · GBIF
6,874
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
月別出現件数 · GBIF

成長と形態

セイヨウエンゴサクは一年生植物で、春に発芽し、同じ年のうちに花を咲かせて実をつけます。

茎は最初は立ち上がり、その後は地面を這ったり、ほかの植物に絡みついたりしながら伸びます。細くもろい茎が多く分枝し、長さは最大で1000 mm(約1 m)になります。

葉は、初めのうちは1枚ずつ生じ、後の葉ほど複雑に分かれて深く切れ込みます。葉柄や小葉は毛がなく、平らな葉身をもちます。

生態と関わり

セイヨウエンゴサクの花には、主にハチ目の昆虫が訪れます。中でも、Eucera longicornis やミツバチの仲間の Megachile、Bombus terrestris(セイヨウマルハナバチ)などのハナバチ類が目立ちます。

これらのハナバチ類以外にも、ハナアブ目やコガネムシ目の昆虫が少数ながら花を訪れることが確認されています。ただし、これらの昆虫が受粉を担っていると断定できるわけではありません。

乾燥した裸地や、人によってかく乱された場所に生えることが多く、競争の少ない場所で生活を続けています。

写真

写真の提供元はvia iNaturalist, licensed under CC0 1.0.、by zebedeugalinha via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.、by Brendan Petrassi via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.、by smathichong via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.、by Shaun via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.、by Kevin Jäger via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.、by SatNavSaysStraightOn via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.、by Álvaro Ibaceta R. via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.、by Mike Bowie via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.、by Ferncliffe forest wilding via iNaturalist, licensed under CC BY 4.0.です。各写真に撮影者のクレジットを記載しています。

生態と分類

生育型

  • 草本

分類

門
Tracheophyta
綱
Magnoliopsida
目
Ranunculales
科
Papaveraceae
属
Fumaria
種
Fumaria muralis

出典

  1. GBIF Species names and classification
  2. iNaturalist Photos
  3. Wikidata Common names and conservation status
  4. Wikipedia Summary extract
  5. Plants of the World Online Native range, life form and climate (WCVP)
  6. GloBI What it eats, what eats it, parasites and pollinators
  7. DoPI
  8. EuPPollNet